アフリカ経済・政治研究所

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スーダン大統領が非常事態宣言(アフリカ開発とガバナンス)

昨日、スーダンにおいて、バシール大統領により非常事態宣言(戒厳令)が出された。

 

日本語での報道もチラホラ出てきているが、必ずしも十分には報道されているとは言い難い。具体的に何が起こっているのか、ここでまとめてみたい。

www.asahi.com

 

スーダンでは昨年末より、パンへの補助金カットを起因とする反政府デモが活発化していた。今回の非常事態宣言(及びその後のバシール大統領の発表)は以下の内容を含んでいる。

・非常事態宣言は一年間

・新しい副大統領と首相の任命

・全ての州知事を軍政府出身者とする。

 

www.theguardian.com

スーダンでは、昨年末から30年近くに及ぶバシール大統領政権下で、不満の声が募っていたとされている。反政府側によると、デモに対しては催涙ガスが使用され、60名近くが死亡しているとの声もある。

一方、今回の非常事態宣言により何が起こるのか。スーダン憲法に基づき、国家安全保障や経済開発に脅威と見なされれば、警察、治安部隊、軍により令状なしの捜索、逮捕が可能となるとのことである。治安部隊の能力と国民へのコントロールが高いとされるスーダンにおいては、反政府側の活動が今度困難になるのではないかという報道もなされている。

www.aljazeera.com

 

いずれにせよ、スーダンから益々目が離せない。