アフリカ経済・政治研究所

アフリカの今と未来を伝える。世界最大の人口大陸となるアフリカに焦点を当てて、日本から分かりやすく発信。政治的中立性を保ち、投稿しています。

汚職対策は命がけ- Fighting Corruption is sometimes dangerous-

今、カルロス・ゴーン氏やJOC竹田会長の汚職疑惑がメディアを賑わしている。いずれも捜査中であるものの、特定の行為を巡って不透明な金銭のやり取りがあったのではないかというのが、捜査のポイントである。不透明な金銭授受は、いわゆる汚職や法律違反といったという話にも繋がる。

 

残念ながら、アフリカにとって汚職という言葉は切っても切れない関係にある。如何に、汚職がはびこっていると認識されているか。CPI(Corruption Perception Index)において、真っ赤に染まる大陸を見れば一目瞭然である。

www.transparency.org

 

最近は若干程度が減ってきたものの、たとえばコートジボワール、ナイジェリア、コンゴ民主共和国と言った国に行くと、空港で税関検査を受けることも多い。税関では、”something to eat?" "I'm hungry"と言った言葉で、暗に賄賂に近いものを要求されることもある。"Where is my lunch?"と言ったジョークに近いものもある。ここでひるんではいけないものの、国の玄関というべき空港でこのような発言が行なわれる国の内情は推して知るべしかもしれない。

 

汚職は、外国人にとってのみならずその国の人々にとっても非常に危険なものであるようだ。ナイジェリアの元財務大臣であったオコンジョ氏は在職中に非常に革新的な財政改革を断行しようとしたため、自らの母親を誘拐され脅迫された過去を持つ。その生々しい状況は以下の著書に詳しい。このような状況では、通常のハートの持ち主では改革は進められないだろう。

Fighting Corruption Is Dangerous: The Story behind the Headlines (The MIT Press) Hardcover – April 20, 2018

 

汚職が、アフリカの経済成長の足かせになっていることは間違いない。汚職撲滅が自助努力で進む場合には、相当の条件が揃ったときのみである。